改訂のポイント
- ①紙面の一新▶本文には可読性の高い書体を採用、文字はやや大きめに変更をして、読みやすさを追求しました。明るく落ち着いたレイアウトを心掛け、基本的に教材は見開きページで完結させて、学習上の利便性を図りました
- ②参考図録の新設▶巻頭・巻末合わせて14ページの参考図録を新たに設けました。授業の際、すぐに参照することができる実用本位のミニ便覧です。「調度」「襲の色目」「植物」などは、どの教材で役立つか、教材名を明記しました。
- ③コラム欄(「古文(漢文)に親しむ」)の新設▶コラムは、教材と関わって展開しやすい話題を実践例に基づいて取り上げました。専門的になりすぎず、やさしすぎもしないので、使いやすいコラムです。
- ④「文法のチェックポイント」欄の新設▶特に注意を要する文法事項を要所要所にまとめました。古文編で5本、漢文編では、巻末に重要句形を整理し、まとめました。
特長
- ①各単元扉に年表スケールを掲載▶その単元で取り上げる作品の成立年代と合わせて、その作品に関わる重要な事項を掲載することによって、教材をより重層的に理解することができます。
- ②「文法のチェックポイント」の掲載位置の配慮▶「文法のチェックポイント」は、そのページ前後の教材で頻出する語を取り上げ、特に注意を要する文法事項についてまとめて学習できるようにしました。授業展開に即して使うことができるよう掲載する位置に配慮しました。例えば、16ページの「係助詞と副助詞」は「文字一つの返し」で係助詞の働きを示す好教材であるとともに、次単元の『徒然草』「あだし野の露」や「家居のつきづきしく」でも頻出するので、このページに配置をしました。
- ③教材の採録範囲の工夫▶例えば、『源氏物語』「桐壺」では、採録範囲を広くとりました。87ページ1行目の「御局は桐壺なり。」で始まる段落までを採録。これによって、光源氏の母が「桐壺更衣」と呼ばれた理由が分かり、後宮における「桐壺」の位置を掲載した図で確かめることによって、桐壺更衣の置かれた状況を考えさせることができます。
- ④本文中の図版の活用▶31ページ「平安京条坊図」や、152ページ「『花山院の出家』関係地図」など、出火元~延焼の範囲、または文中の地名がどこなのか、地図に生徒自らが書き込んで確かめることができるように作りました。
目次
【古文編】
【第一部】
1 説話
●十訓抄
- 一 文字一つの返し
- 二 笛吹きの成方と名器「大丸」
●古今著聞集
- 一 刑部卿敦兼と、その北の方
2 随筆(一)
●徒然草
- 一 あだし野の露
- 二 家居のつきづきしく
- 三 悲田院の堯蓮上人は
- 四 世に従はん人は
- 五 相模守時頼の母は
●方丈記
- 一 ゆく河の流れ
- 二 安元の大火
3 物語(一)
●伊勢物語
- 一 初冠
- 二 渚の院
- 三 小野の雪
●平家物語
- 一 忠度の都落ち
- 二 敦盛の最期
4 日記・紀行
●土佐日記
- 一 羽根
- 二 船旅の不安
●更級日記
- 一 あづま路の道の果て
- 二 源氏の五十余巻
- 三 荻の葉
●奥の細道
- 一 白河の関
- 二 飯塚
- 三 大山越え
5 随筆(二)
●枕草子(一)
- 一 ありがたきもの
- 二 すさまじきもの
- [言語活動]「ものづくし」
- 三 九月ばかり、夜一夜
- 四 中納言参りたまひて
6 物語(二)
●源氏物語(一)
- 一 桐壺
- 二 若紫
7 和歌・歌謡・俳諧
●和歌
- 万葉集・古今和歌集・新古今和歌集・山家集・金槐和歌集
- [参考]『短歌をよむ』俵万智
●歌謡
- 梁塵秘抄・閑吟集
●俳諧〔発句〕
- 宗鑑・守武・貞徳・宗因・西鶴・芭蕉・嵐雪・去来・千代女・蕪村・一茶
8 評論
●古今和歌集・仮名序
- 一 やまと歌は
●無名草子
- 一 いとめでたきもの
●去来抄
- 一 行く春を
- 二 岩鼻や
★古文に親しむ
- 一首なりとも/「敦盛の最期」
- 旅/物語を読む
- 古文を読む楽しみ
★文法のチェックポイント
- 1 係助詞と副助詞
- 2 識別1「けれ」「に」「ぬ」「し」・過去の助動詞
- 3 敬語の基本――敬語は読解の強い味方
- 4 識別2「なむ(なん)」「なり」「る」・呼応の副詞
【第二部】
1 説話
●古事談
- 一 安養の尼と強盗
●宇治拾遺物語
- 一 伴大納言応天門を焼く
2 随筆
●枕草子(二)
- 一 上に候ふ御猫は
- 二 雪のいと高う降りたるを
- 三 この草子
3 物語(一)
●大鏡
- 一 雲林院の菩提講
- 二 花山院の出家
- 三 三船の誉れ
- 四 隆家と道長
4 日記
●蜻蛉日記
- 一 嘆きつつ
●和泉式部日記
- 一 薫る香に
●紫式部日記
- 一 土御門殿の秋
5 物語(二)
●源氏物語(二)
- 一 夕顔
- 二 葵
- 三 須磨
- 四 御法
6 評論
●無名抄
- 一 深草の里
●三冊子
- 一 不易流行
●玉勝間
- 一 兼好法師が詞のあげつらひ
- [参考]花は盛りに 徒然草
7 近世の小説
●日本永代蔵
- 一 世界の借屋大将
●雨月物語
- 一 浅茅が宿
8 上代の文学
●古事記
- 一 須佐之男命の大蛇退治
★古文に親しむ
- ねえ、ねえ聞いた?
- 「めでたき」定子
- 「神璽・宝剣はお渡し申し上げてしまったのだ」/隆家
- 『源氏物語』の中の物の怪
- 時代背景を読む
- 言葉の変遷
★文法のチェックポイント
- 5 二種類の用法を持つ敬語
【漢文編】
【第一部】
1 故事・小話
- 苛政猛於虎也 礼記
- 朝三暮四 列子
- 漁父利 戦国策
- 塞翁馬 淮南子
- 王子猷 世説新語
- 秦西巴 韓非子
- [日本漢文]所争在弓箭不在米塩 日本外史
2 文章
- 漁父辞 屈原
- 捕蛇者説 柳宗元
3 漢詩
[絶句]
- 登鸛鵲楼 王之渙
- 鹿柴 王維
- 涼州詞 王翰
- 楓橋夜泊 張継
- 早発白帝城 李白
- 芙蓉楼送辛漸 王昌齢
[律詩]
- 過故人荘 孟浩然
- 除夜宿石頭駅 戴叔倫
- 登高 杜甫
- 咸陽城東楼 許渾
【古詩]
- 桃夭 詩経
- 勅勒歌 古詩賞析
4 思想
論語 九章 孔子
孟子
- 天爵・人爵 孟軻
- 四端
- [参考]性悪 荀況
5 史話
- 荊軻入秦 十八史略
- 貞観之治・三題 十八史略
- (一)路不拾遺
- (二)創業・守成
- (三)西域賈胡
- 鴻門之会 史記
★漢文に親しむ
- 故事・小話について/王子猷
- 辞について/説について
- 漢詩の基本/漢詩の鑑賞
- 為政者と客人/中国の善政/鴻門の会
【第二部】
1 文章
- 帰去来辞 陶潜
- 前赤壁賦 蘇軾
- [参考]赤壁 趙翼
2 漢詩
- 長恨歌 白居易
- [参考]『源氏物語』 紫式部
3 思想
老子
- 無為 老耼
- 無用之用
荘子
- 混沌 荘周
- 夢為胡蝶
- [参考]『科学者のこころ』 湯川秀樹
韓非子
- 侵官之害
- 二人説
4 史話
- 四面楚歌 史記
- 水魚之交 三国志
- [日本漢文]遠慮 先哲叢談
★漢文に親しむ
- 『源氏物語』桐壺巻と『長恨歌』/平安文学と『長恨歌』
- 老荘と韓非子/大伴旅人と老荘思想
★文法のチェックポイント
- 漢文重要句形の整理
付録
- 一 動詞活用表
- 二 形容詞・形容動詞活用表
- 三 古語敬語動詞
- 四 古語助動詞活用表
- 五 古語助詞一覧表
- 六 日本古典文学関係年表
- 七 漢文関係年表
参考図録
巻頭
- ・旧国名・都道府県名対照地図
- ・近畿付近地図
- ・平安京条坊図/大内裏図/内裏図
- ・清涼殿俯瞰図/平面図
- ・女性の装束/男性の装束
- ・住居〈寝殿造〉/調度など
- ・「古典」の色/襲の色目/「古典」の植物
巻末
- 武具・馬具図
- 古典の時間〈時刻と方位/月齢表/月の異名と主な年中行事〉
- 官職位階表
- 春秋時代要図・戦国時代要図
- 漢文関係地図
付属品
指導用教材
- 指導資料セット
- 指導資料 A5判/6分冊
効率的な指導を可能にするため、レイアウトを一新し、見やすさ・使いやすさを追求しました。 - 授業展開ノートB5判/2分冊
1回分の授業を基本見開き2ページの紙面に再現。時間軸に沿った構成で、発問・板書例・指導の要点などが満載です。
- 指導資料 A5判/6分冊
- データディスク
収録内容
テキストデータ
- 教科書本文集(ワード・一太郎データ)
- 現代語訳集(ワード・一太郎データ)
- 評価問題集(ワード・一太郎データ)
- 補助資料集(ワードデータ)
- 古文語句・文法データ(エクセルデータ)
別売教材
- 生徒用教材 学習課題ノート(準拠問題集)
- 教師用指導資料本冊(PDFファイル版)
- 指導者用デジタル教科書