「物語」の歴史を凝縮した一冊!
物語 和歌 随想・日記
古A 309109 文英堂
- 判型
- A5判
- 頁数
- 128
- ISBN
- 978-4-578-28703-2
- 学校専売
特長
- ①わが国古典文学の精華であり、内容・量ともに当代世界に類のない豊穣さを誇る「平安時代」にスポットを当てました。
- ②『竹取物語』(作り物語)に始まるわが国の物語文学と『伊勢物語』『大和物語』(歌物語)、次いでこれら二系統の性格を合わせ持つ『源氏物語』への橋渡し的作品『落窪物語』を採録して、物語文学の歴史的流れを理解できるように工夫しました。
- ③『源氏物語』については、展開の要ともなる有名な帖を中心に、特に「蓬生の宿(第一帖)」は長文を採録し、加えて物語文学としての特色を出すため、その全体像が把握できるよう、筋の流れに重点を置いて構成しました。『堤中納言物語』からは、ほのぼのとした童話的世界を描いた「貝合はせ」を抄出しました。
- ④「和歌」からは物語と密接な関連のある、三代集の『古今・後撰・拾遺』各和歌集から採録しました。
- ⑤『枕草子』からは、中宮定子に対する賞賛と自らの体験をつづった日記的章段を中心に採録しました。「日記」では、ともに平安時代を代表する歌人と作家の手になる『和泉式部日記』『紫式部日記』からその確かな筆致が味読できる教材を選定しました。と同時に「物語」「和歌」や『枕草子』との関連づけにも留意しました。
目次
【物語】
●竹取物語
- 一 貴公子たちの求婚
- 二 五人の求婚者への難題提示
- 三 石上の中納言、子安貝の入手に失敗
- 四 煙立ちのぼる、ふじの山
●伊勢物語
- 一 紀有常(第十六段)
- 『恋する伊勢物語』(俵万智)
- 二 小野(第八十三段)
- 三 さらぬ別れ(第八十四段)
●大和物語
- 一 玉くしげ(第四段)
- 二 水汲む女(第百二十六段)
- 三 生田川(第百四十七段)
●落窪物語
- 一 落窪の君の生ひ立ち(巻之一)
- 二 三日の夜の訪れ(巻之一)
- 三 姫君に迫る典薬助(巻之二)
- 四 姫君の失踪と中納言邸の大騒ぎ(巻之二)
●源氏物語
- 一 玉の男皇子の誕生(第一帖、桐壺)
- 二 蓬生の宿(第一帖、桐壺)
- 三 物の怪の出現(第九帖、葵)
- 四 野宮の秋(第十帖、賢木)
- 五 住吉詣で(第十四帖、澪標)
- 六 雪の日の子別れ(第十九帖、薄雲)
- 七 野分の六条院(第二十八帖、野分)
- 八 病める紫の上(第四十帖、御法)
●堤中納言物語
- 一 貝合はせ(貝合)
【和歌】
- 古今和歌集(十首)
- 後撰和歌集(五首)
- 拾遺和歌集(五首)
【随想・日記】
●枕草子
- 一 上に候ふ御猫は(第七段)
- 二 古今の草子を御前に置かせたまひて(第二一段)
- 三 村上の先帝の御時に(第一七五段)
●和泉式部日記
- 一 夢よりもはかなき世の中を
●紫式部日記
- 一 秋のけはひ入り立つままに
【付録】
- 一 動詞活用表
- 二 形容詞・形容動詞活用表
- 三 古語敬語動詞
- 四 古語助動詞活用表
- 五 古語助詞一覧表
- 六 五十音図、月の異名、時刻・方位・十二支
- 七 清涼殿・後涼殿図、牛車の図
- 八 内裏略図
- 九 京都付近図
- 十 日本古典文学関係年表