ASSOCIATION SOPHIAN TEACHERS OF ENGLISH
上 智 大 学 英 語 教 員 研 究 会

NEWSLETTER

第41号  1999年8月31日


第99回 ASTE 例会 英語教育の在り方を考え直す

吉田研作(上智大学)

第100回 ASTE 例会 教育実習に向けて
教材指導の一例(中学の部)

The Necessity of Peer Observation as a Part of Teacher Training
(高校の部)

山本 ちひろ
(桐朋女子中・高等学校)
高橋信太郎
(静岡隻葉学園)

第101回 ASTE 例会

BBSを利用したインタラクティブなライティングの授業

水野邦太郎
(上智短期大学/ 慶応大学湘南藤沢キャンパス)

ASTE からの「お知らせ」


[訂正] 会員の皆様に郵送いたしました NewsLetter No.41 の18頁に、CALPS HOME PAGE として http://www.ne.jp/calps/home/index.htm と記載されていますが asahi が抜けています。
正しくは、http://www.ne.jp/
asahi/calps/home/index.htm です。
こちらでアクセスをお願いします。


英語教育の在り方を考え直す

第99回ASTE例会    1999年4月24日

    吉田研作(上智大学)

はじめに(教育課程審議会報告を考える)
 文部省の新指導要領に基づいたカリキュラムが2002年から実施されることになった。その大元になっているのが、昨年夏に発表された教育課程審議会報告である。その報告によると、下記の二つの表現がキーワードになっているようである。「ゆとり」と「生きる力」。
 「ゆとり」のある教育と一言で言っても、それは単なる時間的ゆとり、場所的ゆとりというような物理的なものではなく、「心のゆとり」を意味する。つまり、子どもたちが「ゆとり」を持って勉強できる状態を創出することがポイントとなっているのである。
 また、「生きる力」を与える、と言った場合、それは子どもたちが生きることに喜びを感じ、生き甲斐を持つことを意味している。
 ところで、「ゆとり」は、現在行われているような「詰め込み教育」からは生まれない。今の教育の多くは「義務的」であり、テストのため、受験のため、そして成績を上げることを目的としている。「これをやらなければ落ちる」「これさえしっかり覚えれば合格する」というように、教師の方から一方的に生徒に勉強を強いているのが現状だろう。
 「ゆとり」ある教育の前提にあるのは、むしろ、生徒自身が自ら勉強することを「選ぶ」ことである。同じ勉強でも、嫌々やっていれば、わずか1時間でもその倍にも3倍にも感じるだろう。しかし、自分が好きでやっていれば、「時間を忘れて」何時間でも勉強することができる(インターネット・ウィドウなどはその典型だろう)。この違いは、正に、気持ちの上で「ゆとり」があるかどうかという点から生まれるものなのである。
 しかし、このように、自ら何かをやろう、という気持ちになるためには、どうしても「動機」がなければならない。そして、何かに夢中になれるだけの動機付けができれば、「生きる力」も沸いてくるだろう。換言すれば、「動機」がなければ「生きる力」は沸いてこないのである。
 この動機の問題は、昔から論じられており、誰もがその大切さを認識しているにも関わらず、いまだに決定的な'解決が得られないものである。これについては、後でまた触れることにしよう。

教育課程審議会報告の具体策とその問題点
 さて、教育課程審議会の理念を実現するための具体策として、報告書には次の策が述べられている。
 1)週五日制の完全実施
 2)全教科授業時間数の約30%削減
 3)基礎知識の育成
 4)総合的な科目の導入(高校ではより多くの選択科目を設ける)
 ここで一番大きな問題は、1)と2)だろう。つまり、現在よりも授業時間数が「減る」とうこと。現在でさえ時間が足らない、と思っている多くの教師にとって、授業時間が減ることは、益々教育レベルの低下を意味するのではないだろうか。
 基礎知識を大事にする、ということ自体は問題ないが、そのために、各教科の到達レベルが下がる可能性はないのだろうか。今でさえ、高校の教員の中には、一年生の英語のレベル(特に読み書き)の低さを嘆く人が少なからずいる。もちろん、基礎をしっかりやれば後になってから伸びる確立も高い、と考えることはできるだろう。しかし、それは今までと同じ時間数が確保される、という保証があってのことであり、30%も授業時間数が減ったのでお手上げだ、と思っている教師もいるだろう。総合的な科目の導入(選択科目の増設)がそのような状況を補う切り札として新たに考えられているが、果たしてそれが現状を変えるだけのカンフル剤になりうるのかどうか、、、
 
新指導要領のキーワード
 そこで、今度は最近発表された新指導要領について考えてみよう。新指導要領にもキーワードと言うべき概念が含まれている。
 1)積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成
 2)実践的コミュニケーション能力の育成
 3)文化や国際理解教育の促進
 4)いわゆる4領域の技能の統合的活用
 上記の1)と3)は現行の学習指導要領にも記載されていることであり、特に目新しいものではない。しかし、2)と4)は今回新たに加えられた項目である。
 「実践的コミュニケーション」が強調されているということは、教室の場でも、単なるコミュニケーションを図る態度を育てるだけでなく、実際にコミュニケーションするように授業を工夫することが要求されていることを意味している。今回の学習指導要領では、コミュニケーションをするための具体的な状況および、「言葉の働き」、つまり、言語機能のリストが中学、高校共に挙げられているのは、正にそのためなのである。
 つまり、さまざまな具体的状況の中で、その時々に応じて変えることが必要とされる言語機能を正しく使いながら、実践的にコミュニケーションができる力を生徒につけさせることが目標として設定されているのである。
 また、それをする上で、個々の「技能」をばらばらに教えるのではなく、聞く、話す、読む、書くの4領域に必要な技能を「統合的」に活用することが求められている。つまり、言語活動というものは、いわゆる4技能が統合的に活用されてこそ成り立つのであり、読解の授業は読んで訳すだけ、リスニングでは、テープなどを聞いてその内容を確認するだけ、また、ライティングの授業では、日本語の文を英語に訳すだけ、というように、個々の技能を一つ一つ別々に扱うことは、「実践的コミュニケーション」という点から見ると、非常に不自然なのである。読んだものについて話したり、まとめたり、感想を書いたりする、というように、どの技能の育成にもほかの技能を補助的に活用することこそ「実践的コミュニケーション」に即したものなのである。

言語教育--2つのモデル
 
現代の言語教育の中で、大きく分けると2つのモデルが存在すると言える。その二つを図式化すると次にようになるだろう。

Teacher-centered/ Lock-step

  1. 言語形式重視
  2. 4技能を個別に修得
  3. 教師による教材・学び方の準備/指導
  4. 結果重視


 

Learner-centered/Interactional

  1. 意味・意図の重視
  2. 4技能を使って求められている内容を修得
  3. 学習者による教材・学び方の重視
  4. 学習過程の重視

 今までの教育法は、言語を使って「文法」「発音」「語彙」などの言語形式の修得を目的にしてきた。また、「聞き方」「話し方」「読み方」「書き方」といういわゆる4技能を教えることを重視してきた。そのためには、学習者が勝手に学ぶ、という「非能率的」な方法をとらず、教師が「これが大事」と思うような教材や学習方法を殆ど全て用意してきた。そして、最後のでは、テストなどで図られる「結果」が圧倒的なウェイトを占めてきた。
 それに対して、近年徐々に取り入れられてきた考え方では、言語の形式よりも、それによって表されている「意味」は話し手・書き手の「気持ち」や「意図」が重視されている。また、いわゆる4技能は、それ自体を身につけることが目的ではなく、それを使って何が出来るか、何を学べるか、という「内容」により大きなウェイトが置かれるようになっている。そして、より内容等が学習者にとって意味のある、興味のあるものとなるために、教材や学び方は、学習者自身が貢献できる部分として大切なものとされている。何に興味があるのか、学習者自らが学ぶ方法を見いだすことの大切さが強調されている。そして、このような方法の場合、テストなどに現れる「結果」よりも、そこに至るまでの「学習過程」が重要とされるのである。

2つのモデルの比較検討
 上記2つのモデルはある意味で、言語教育に関する考え方の両極を表している。そこで、この2つの考え方を比較見よう。
Teacher-centered/ lock-step (包括的モデル)
1. 量的変化に影響されやすい (授業時間数、教材量、語彙数、人数等)
2. 義務的学習観
3. bottom-up 式学習観
4. 学習者の自律的学習の軽視
Learner-centered/ interactional (授業起点型モデル)
1. 量より質に影響される(学び方、教材選定、タスク等)
2. 自主的・選択的学習観
3. top-down 式学習観
4. 学習者の自律学習を重視
 「包括的」というのは、学習者の言語修得に関する全てのことが教師の責任において行われることを意味する。テキスト、プリント、ドリル、教室活動等の全てが予め教師によって決められ、学習者の責任は、与えられたものをきっちり覚えるというものである(義務的学習観)。そして、学習者により多くのことを教え、身につけさせるためには、より多くの時間を費やし、より多くの練習を与えることが必要とされる。たとえコミュニケーションが英語教育の最終目標として定められていたとしても、そこに至るには、一つ一つ文法規則や単語等の言語形式を積み重ねていかなければ到達できない、と考えられている(bottom-up 式学習観)。そしてそのためには、自由な会話やコミュニケーション活動のように、学習者が自ら色々な言語活動やタスクをすることは時間の無駄(それでなくても時間が足りないのだから)と考えられる(自律活動の軽視)。
 このような考え方に立った場合、今回の教科審報告にあるように、週5日制になったり、30%も授業時間数が減るということは、学習者の学力の妨げにしかならないだろう。また、いままでと同じ学力を維持するとなると、より小さくなった時間的器の中に、いままでと同じだけの材料を詰め込むことになり、これでは、「ゆとり」どころか、益々学習者の負担を増す結果しか生まないだろう。
つまり、teacher-centered で lock-step 的な包括的モデルを維持する限り、21世紀の英語教育は今より更に悪くはなっても、決して良くはならないだろう。
 それに対して「授業起点型モデル」の場合は、時間的に量が減っても、学習者の自主性や興味関心を重んじ、学習者が自ら学ぶこと(自律学習)を促すことにより、授業時間で自ら学ぶきっかけを作ることが強調される。また、そのために必要とされる動機として、言語習得にとって最も大切なcommunicative motivation を与えるために、まずは communication をすることから始める、という top-down 式学習過程を取り入れる。
 授業時間数が減り、器が小さくなったときに、無理矢理今までと同じ内容のものを詰め込むのではなく、その器にあった教授法を考えることこそが大事なのである。そして、そのためには、従来とは「質的に」違う方法を考えなければならない。

Interaction は学びの場
 「授業起点型」の教授法では、学習者同士、また学習者と教師の interaction の大切さが強調されている。今までの教授法では、 interaction はあたかもそれまで習った表現等の練習の場、という捉え方がされていた。しかし、最近の focus on form の研究では、学習者がペアワークやグループワークをしている時にそのときどきの活動に必要な言語形式について学習をしていることが分かって来た。互いに、How do you say〜?とか、手を上げて「先生、〜は英語でどういんですか」と聞いたりしながらタスクを進めている。つまり、自分に一番必要な表現に注目しながら、それを学び、使っているのでる。interaction は単なる練習の場ではなく、学びの場でもあるのである。

おわりに
 21世紀の日本の英語教育は、量的に大きく変化する。そんな中で、「ゆとり」のある教育を行うためには、今までとは「質的に」異なった教授法を考えなければならない。それは、学習者中心の、学習者に最も必要なコミュニカティブ・モーティベーションを活かすものであり、授業や教科書という限られた空間から学習者を解き放つ自律心を育成するものである。
 2002年には、新しい指導要領に基づいた英語教育が始まる。それまで、この新しい教授法を取り入れるための準備を早急進めなければならないのである。

参考文献
学習指導要領(幼稚園から中学まで)(1999) 文部省
 http://www.monbu.go.jp/news/00000317/t-mokuji.html
学習指導要領(高等学校他)(1999) 文部省
 http://www.monbu.go.jp/news/00000317/km.html
Allright, R. & K. Bailey (1991) Focus on the Language Classroom, Cambridge:
Cambridge
Brown, H. D. (1994) Principles of Language Learning and Teaching (3rd
Edition), New York: Prentice Hall Regents
Brown, H.D. & S. Gonzo,eds.(1995) Readings on Second Language Acquisition,
New York: Prentice Hall Regents
Brown, H.D. (1994) Teaching by Principles: an Interactive Approach to
Language Pedagogy, New York: Prentice Hall Regents
Cohen, A. (1998) Strategies in Learning and Using a Second Language, London:
Longman
Doughty, C. & J. Williams, eds.(1998) Focus on Form in Classroom Second
Language Acquisition, Cambridge: Cambridge
Gass, S. (1997) Input, Interaction, an the Second Language Learner, Mahweh:
Lawrence Erlbaum
Krahnke, K. (1987) Approaches to Syllabus Design for Foreign Language, New
York:Prentice-Hall
Seliger, H. & M. Long, eds.(1983) Classroom Oriented Research in Second
Language Acquisition, Rowley: Newbury House
鈴木佑治、吉田研作、霜崎実、田中茂範 (1997)「コミュニケーションとしての英語教育論」アルク
吉田研作 (1999) 「英語教育に質的変化をもたらすことの必要性--英語科内の垣根をはずすために」英語教育 48号5 English Teachers' Magazine vol. 48, no. 5,
吉田研作 (1999) 「新指導要領が求める英語教育」 Unicorn Journal no. 44


教育実習に向けて

ASTE 100回例会                    1999年5月22日
   
教科指導の一例 ( 中学の部) 
山本 ちひろ(桐朋女子中・高等学校)

 本当に教員を志望して教育実習に臨む人、またちょっと興味があったり、とりあえず教職をとっておこうという人など、いろいろな理由で教育実習に参加する人がいると思います。2週間という短い期間ですが、出来る限り沢山の経験をして教員という仕事への理解を深めて欲しいと思います。教育実習生に対して学校現場ではどのような見方があるのか私たちの学校でアンケートをとってみましたので、参考にあげておきます。
生徒  40人に対して。(中学生20人  高校生20人)
1. 教育実習生の授業を受けたいですか。
Yes 15人 (中学生 11人 高校生4人)
No 13人 (中学生 5人  高校生8人)
どちらでも 12人 (中学生 4人  高校生8人)

2. Yesの理由----いろいろな先生の授業を聞いてみたいから。若いので新鮮。年齢が近いので親しみやすい。発音がよい。 
3. Noの理由----あまり授業が進まない。説明が分りずらい。授業の手際が悪い。おどおどしている。
4. 教育実習生にのぞむこと。  若さあふれる授業。緊張せず、大きな声で。きれいな発音。自信をもつこと。生徒とのやりとりを大切にしてほしい。
教員 11人に対して。
1. 今までに持って良かった、と思えた実習生はどのような人?----積極的にホームルームや掃除にも参加して、生徒の名前をしっかり覚えた人。教材研究が徹底していて生徒の質問をしっかり受け止め、分らないときはごまかさない人。時間などの約束を守ってくれる人。職業として「教員」になることを真剣に考えていた人。
2. 今までに持って大変だった実習生----声が小さい。基本的な英語力が欠落している人。自分だけで授業を進め、生徒の反応をみない人。指導案を自分で考えられない人。すべてを指導教員に教わろうという実習生。生徒からの質問に適当に答える人。
3. 実習生にのぞむこと。---- 実際に出来るかどうかは別にしても、自分なりに「これがやりたい」というものを持っていてほしい。打ち合わせで「何をやったらいいですか?」では困る。生徒と友達になろうとするあまり、必要以上に甘くなったりしてほしくない。2週間は短いので上手にやろうという気持ちはいらない。まず積極的に「経験する」こと。生徒とのコミュニケーションをとろう、という姿勢。多くの先生の授業を見ること。
                      
  実習中に子どもの素直さに感動したり、その残酷さに驚くこともあるでしょう。子どもの目は厳しいので、どんなに自分をつくろってみても、すぐに見破られてしまいます。ありのままの自分で子どもに接していってください。そのようにして初めて子どもとの信頼関係がつくられると思います。

教科指導の実践
 先のアンケートに見られるように、多くの生徒たちは若くて、親しみの持てる実習生がやってくることを楽しみにしています。その期待に応えるためにも入念な教科指導の準備が必要になってきます。準備の段階としてまず、教科書資料の研究、そして言語活動の計画を立て、最後に授業案を作成します。以下に詳しくみていきましょう。
教科書資料の研究   教科書で扱われている事項に関して自分の知識を磨いておくことです。発音に関しては、生徒が初めて耳にする単語などは特に正しい発音を聞かせることが必要となってきます。文法、語彙なども生徒からの様々な質問を想定しながら自分自身の中で確実なものにしておくことが大切です。 また、授業の時間は限られていますので、その時間内で何を生徒に身につけさせるべきか精選しなくてはいけません。
言語活動の計画 次に精選された事項に関して細かい言語活動を考えます。
ここでは実際の教科書を用いて、言語活動の準備をしてみましょう。

[New Horizon 2 東京書籍 p22より]
" We are going to cross the Golden Gate Bridge,"
Mr.Green said.
Yuki saw the bridge. It was beautiful against the blue sky.
" But its red. Why do you call it the Golden Gate Bridge?" she asked.
" Well, this place was a gateway to the gold mines in the nineteenth century."

みなさんだったらこの本文のどこを強調して教えていきますか? ここでは前のレッスンで初めて「be going to〜」を扱ったので a)その復習と、このレッスンで初めて出てきた b)「call +○+△」を中心に教えます。
a) 「be going to〜」の復習  [オーラルイントロダクション+小テスト]
 ここでは「Display活動とReferential活動」(吉田研作先生、他著『コミュニケーションとしての英語教育論』より)を参考にして、referential活動とdisplay活動を交互に取り入れたオーラルイントロダクションを用いました。referential活動とは「a. 使われる言語形式よりもその活動を通して実際に交わされる意味内容に焦点が当てられている。 b. 活動の結果は教師と言えども予測できない」(吉田1997)ものです。 一方display活動とは「a. その活動によって試される内容(表現)などが予め決まっている。 b. 教師が答え(結果)を知っている(予測できる)」(吉田1997)というものです。以下はそのオーラルイントロダクションです。
T: Good morning class. Today, as usual, we have a small quiz of "be going to〜". Did
you study last night Ms.A?
A: No.
T: No? Well, I hope you are going to study tonight. Are you Ms.A?
A: .......Yes. I am going to study English tonight.
--------------------------------------------------------------
Referential
T: Good, class, what is Ms. A going to do tonight?
Class: She is going to study English.
T: Ms.B, tell me what Ms. A is going to do tonight?
B: She is going to study English.
-------------------------------------------------------------- 
Display
T: Very good. How about you Ms. D, what are you going to do tonight?
D: I am going to watch T.V.
T: What program are you going to watch?
D: I am going to watch "UTABAN".
T: Is it interesting?
D: Yes.
--------------------------------------------------------------
Referential
T: All right. Class, what is Ms. C going to do tonight?
Class: She is going to watch "UTABAN".
T: How many of you watch "UTABAN"? ............. Wow, it's a very popular program!
O. K. let's do the quiz.

  この後5分間の小テストをおこなう。

このようなオーラルイントロダクションは生徒自身が慣れていないと積極的に参加することをためらい、時間がとてもかかることがあります。毎日行うことにより、生徒が実際の英語の受け答えに慣れていくのが理想的です。

b) 新出表現「call +○+△」
 次に新出表現「call +○+△」を教えます。中学生の場合、新出表現を教える際に全体に対する説明は出来るだけ手短にして、実際に口に出して繰り返し言わせたり、書かせたりするほうがよいのではないかと思います。文法用語などを用いて説明しようとすると中学生は混乱してしまうことが多いようです。
例)T: (用意しておいた写真などを見せて)O.K. class, who's this?
  S: Kimura Takuya.
  T: Do you like him, class?
  S: Yes,/ No.
  T: I call him Kimutaku. Ms. A, what do you call him?
  SA: I call him Kimutaku, too.
  T: Good! Class, what does she call him?
  S: She calls him Kimutaku.
  T: Do you call him Kimutaku, too, Ms.B?
  SB: Yes, I call him Kimutaku.
ほとんどの生徒に「call +○+△」の形が定着したと思ったら、教科書の練習問題(「call +○+△」を使った)をやらせます。また、その日の宿題として「身の回りの(○を△と呼ぶ)例をいくつか書いてきてもらいます。絵、写真などを添付させ、次の授業時にそれぞれに発表してもらいます。
授業案の作成
  言語活動を計画したら、次は1時間の授業をどのように進めていくか、実際に授業案を作成します。この授業案はベテランの教員であれば、自分の頭の中につくることができますが、教育実習生であれば、いろいろな活動にかかる所要時間までしっかり記した細かい授業案を書いておく必要があると思います。例として上の教科書の範囲を想定し、また、上で述べた言語活動を取りいれた授業案を考えてみます。

授業案の例
復習
(10)
1.be going to〜のオーラル イ ントロ
2.be going to〜の小テスト
オーラルイントロは出来るだけ多くの生徒に注目させるようにする。
導入+展開
(10)
1.重要事項call+○+△ 英語での教員と生徒の対話のときは多くの生徒に注目させる。
[板書] call+○+△「○(人、建物)を△と呼ぶ」
(5) Let's sing!* 教員も一緒に歌う。
(10)
(10)

2.San Franciscoについてのオー ラルイントロ
3. 教科書のリスニングと黙読


4. 意味確認(2文)


5. 新出語の発音確認


6. 教科書音読(2回)


7. ペア音読

8. 重要事項call+○+△をワーク (問題集)で練習。

 San Franciscoに行ったことがある人がいるかどうか、尋ねる。いたらその人に感想を聞く。その後、教科書併用のビデオでSan Franciscoの様子を見せる。
あらかじめ予習をさせているので* 生徒はだいたいの意味はわかっている。
It was beautiful against the blue sky.の意味確認。
[板書] We call it the Golden Gate     Bridge.
    Why do you call it the       Golden Gate Bridge?
他にも生徒が分からない、という文があれば、確認しておく。
何人かにあてて発音させ、確認する。
どこを強く読むか、に注意しながら、まず、教員の後について、その後テープと一緒に読ませる。
あなプリ*を使い、となり同士で音読の確認をさせる。

ワークをやらせている間に一人一人の予習や宿題の確認をする。机間巡視を多くすることで生徒とのコミュニケーションがはかれます。

整理 明日までの宿題の確認。 宿題:1. Call+○+△の例を用紙に書い    てくる。
宿題:2. call+○+△のワークの練習問題。


*歌は生徒に選ばせたり、教員が選んできたりしたものを歌います。子どもをのせるにはよい手段です。
*予習として、そのページに入る前に必ず生徒に本文を写し、その意味を考えること、新出単語の発音記号を書くこと、また動詞に下線を引くことを課しています。
*あなプリとは教科書の本文のいくつかの単語を(  )で穴にしたプリントのことです。音読練習のときに使います。

 実際の授業案はもっと丁寧なもののほうがよいと思います。授業案が出来上がったら後は実際に教壇に立って授業を進めていきます。授業の進め方は指導教員とよく相談しながら、行ってください。

 教科指導以外にも教員の仕事はいろいろあります。担任しているクラスをまとめたり、部活指導、校務(学校を運営していくための教科以外の仕事。例えば生徒会活動を進めたり、学校の環境を整備したり、PTAをまとめたり。)なども教員の大切な仕事です。
 実際に生徒と共に過ごす2週間はとても貴重です。毎日泣いたり、笑ったり沢山の感動に出会うはずです。生徒たちがとてもかわいく思えてくることと思います。逆に生徒と接することがとてもつらい、と感じた人はあまり教員には向いていないのかもしれません。実習を終えて、多くの人が「自分は教員に向いている」と思ってくださることを願っています。


The Necessity of Peer Observation as a Part of Teacher Training(高校の部)


高橋信太郎(静岡隻葉学園)

 他の先生の授業を見学するということは、教育実習生にとって(また現職の教員にとっても)とても有意義で、かつ必要な活動です。その重要性は、海外でも広く認められていますし、私たちは今後、より積極的に行っていかなければなりません。特に実際の授業経験のない実習生にとっては、なおさらです。
 教育実習期間の前半の一週間は、出来るだけ様々な先生方の授業(余裕があれば異なった科目も含む)を見学させていただきましょう。自分が実際に習ったことのない先生や、自分が卒業したあとにいらっしゃった先生の授業の中には、新鮮な発見があります。
 ところで、授業を見学されるというのは、どんなに経験を積んだ教師でも、居心地の悪さを感じるものです。なぜかといえば、自分が“評価をされる”という恐怖感があるのです。教室の後ろで同僚がメモをとっているのが日に入ると、 「一体何を書いているのだろう」と不安になります。
 私自身、ネイティプ・スピーカーの先生が私の授業を見学しながら、なんとも言えない表情をして首を横に振っているのを見て、授業を中断して逃げ出したくなったことがあります。
ですが、授業見学の目的は、○×の評価をつけることでは無いのです。

授業見学の目的
@ 授業を客観的にとらえる。
I.自分自身が、これからどんな授業しようとしているのかを意識化し、確認する。
II.指導教官(同僚)は、普段どんな授業をしているのかを知る。
A 自分が無意識で授業中にしていること(やろうとしていること)に気付き、その理由と、 背景にある信念を意識化する。
(仲間に自分の授業のビデオを撮ってもらうのも、良い方法です。)
B 自分の信念が、本当に授業の中に反映されているか、自分自身に問いかける。私たちは、この点に関して、 “勝手な思い込み”や‘間違い”を犯してしまいがちです。
C 今、自分が行っている方法以外の教授法や、やり方があるのではないか、考えてみましょう。

授業見学のポイント
@ 指導教官は、授業をどうやって始めていますか。授業の始めの挨拶が、日本語か英語か というのも、生徒にとって意外に大きなことです。
A 前日の授業が今日の授業に、どの様な流れで結びついていますか。
 年間の目標の中でどの辺りの位置付けなのかに注意して見学しましょう。
B I.実際に授業の相手となる生徒が、 “すでに学習したこと”と、“これから学習すること”をよく区別して把握しておきましょう。
「これぐらいは当然知っているだろう」などと甘く考えて授業に望むと、なんとも“独りよがり”な授業になってしまいます。忘れがちですが、使用している教科書によって文法事項や単語の配列は違います。よく注意して事前に研究しておいてください。

II. 授業のレベルの設定に気をつけましょう。理解が遅れ気味の生徒にこだわり過ぎると、進んだ生徒は退届してしまいますし、逆に、上位のみを対象にした授業というのも、考え物です。中間層より、少し上の生徒にレベルを合わせると、全体が退屈しません。

III.自分がいろいろ知っているからといって、あれもこれもと詰め込むと、生徒には一体何が重要なのかが分からなくなってしまいます。“木を見て森を見ず”にならない ように、かといって大雑把にならないように。例えば、リーディングの授業で、文章の内容よりも、単語や文法の説明ばかりしてしまったら、それは本末転倒です。

C 板書の仕方、生徒への接し方、言葉遣い、静かにさせる方法、品位のある態度など、教師としての立ち居振る舞いに注目しましょう。
黒板に字を書きながら話すのは、あまり良い方法ではありません。話す相手の目を見て喋る(EYE-CONTACT)のが基本です。また、勉強の苦手な子は、板書を書き写すのに、とても時間が掛かります。
書き終わるのを待ってから喋ることも、大切なことです。
慣れないと、緊張のあまり早口で喋ってしまいがちですが、そうすると、用意した教案が終わってしまうことがあります。ですから、50分間いう時間が感覚的につかめるまでは、教案は多めに作っておきましょう。
以前、余ってしまった20分間を大学生活の話に費やした実習生がいましたが、それは授業時間内にすることではありません。

D 指導教官(同僚)と生徒の関係は、どんな様子でしょうか。
先生は生徒に対して権威的(dictator?,tyrant?)ですか?
それとも援助者(facllitator,moderator)に徹していますか?
生徒の名前は呼び捨てですか? “〜さん”と呼ばれていますか?
E どのように生徒の間違いは直されていますか? 生徒が教科書を読んでいて、一つのセンテンスを読み終わる前に、生徒を遮って発音を直すのは、果たして良いことでしょうか?
勉強の得意な子は、間違いをきちんと直してくれる先生が好きですし、勉強の苦手な子は、間違いを指摘されるのを、とても嫌がります。
“間違いをきちんと直してくれる、厳しい先生が好きだった”実習生は、生徒に対しても、間違いをきちんと直してあげようという熱意のあまり、 “自分の好きな先生像”を押し付けてしまいがちです。
40人の生徒がいたら、みんながみんな優等生ばかりではありません。40人の事情とレベルがあることを忘れてはいけません。
生徒の実情を無視して、自己満足に浸ってはいけません。
F 教室にいるのが精一杯で、こちらが“指名してはいけない子”はいませんか? 登校拒否の生徒への配慮には、細心の配慮が必要です。
G 自分が生徒だったら、この先生にどんな印象を持ちますか?
H 徒同士の活動(ペア・ワーク)は、どの程度行われていますか?
年ではペア・ワークを喜んでやりますが、受験を控えた高校生は、ペア・ワークをあまりやりたがりません。 (学年や学校にもよります。)
I すべての生徒が平等に発言の機会を与えられていますか?
なかなか出来ないことですが、自分が受け持つ生徒の顔と名前を、覚えておきましょう。
自分が生徒のとき、先生が自分の名前を覚えていると、嬉しくありませんでしたか?
授業の進行をスムースにするためにも、生徒の顔と名前は、事前に覚えておきましょう。

授業見学のエチケット
@ 授業を見学させていただく先生の許可を、遅くとも前日までに貰っておくこと。その授業の直前などというのはエチケットに反します。
A 見学させていただく授業の、どのポイントに関心があるのかを伝えたり、授業の目的は何なのかを事前に伺ったりする。授業をする側も、見学に来る人の目的を知っていると、安心します。
B 授業全体を見学させていただくのか、それとも途中で入退室する可能性があるのか、事前にお話しておく。
授業をしているものにとって、途中で退席されるというのは、とても不愉快で、授業の進行の妨げになるものです。当たり前のことですが、実習生同士で話したり、発言したりすることは詐されません。
C 出来るだけ教室の日立たないところに座って、気付いたことをメモに取っておく。授業の内容を出来るだけ客観的に観察する。そしてそのメモを指導教官に一旦渡す。その際、 「ありがとう御座いました。」の一言を忘れない。当たり前のことですが、見学させていただいた先生が教室から出ていらっしゃるのを、お待ちしましょう。
指導教官より先にどこかに行ってしまうなどというのは、エチケットに反します。
D 指導教官と実習生は、そのメモを見ながら、クラスの内容に関して話し合い、一つ一つの活動の裏にある、信念と狙いを確認します。
この時、絶対に“良い” “悪い”というような評価をしてはいけません。表面的な活動の評価をすることが授業見学の目的ではありません。
見学する側と、見学される側が、お互いの言語観や教育観を意識化し、自分の信念が、本当に授業の中に反映されているか、それを確認するのが授業見学の最大の狙いです。 (特に同僚の先生同士の場合)
ですから、表面的な活動で良いと思うものがあり、なおかつその活動が自分と同じ意図で行われている場合、背景にある信念についてお互いに話し合うのは、とても有益なことです。
他人の授業を見学することによって、自分自身の授業を客観的に認識するのが授業見学の狙いです。

もともと何のために英語を教えるのか
 これから実習に行かれる皆さんや、教員になろうと思っている皆さんは、高校時代、 “厳しい先生が好きだった優等生”だったのではないでしょうか。
 大学生活の中で、自らの言語観や教育観、人間観を意識化し、信念について本気で他人と議論し、関わりあう機会は、充分にありましたか?
 大切なのは、メソドロジーではありません。 “もともと何のために英語を教えようとしているのか”という言語観がしっかりしていないと、たとえ、どんな素晴らしいメソッドを持っていても、教員としての道は険しいです。


BBSを利用したインタラクティブなライティングの授業

ASTE 第101回例会     1999年6月12日

水野邦太郎(上智短期大学/ 慶応大学湘南藤沢キャンパス)
      

1.「銀行預金型の英語教育・学習図式」からの脱却
 英語を「教える」あるいは「学ぶ」という私たちにとってごく日常的な営みの中に,英語学習というものを「計画的に貯蓄していく」ものとして見なしている構図がある.すなわち,教える側は英単語・熟語・文法事項等をあるカリキュラムに従って順々に提示していく,そして,学ぶ側は提示されたらその都度,それらを次々に貯蓄していくという見方である.「将来,英語でコミュニケーションをするために学ぶ」という学習態度がそれを反映している.
 ところが,こうした「銀行預金型の英語教育・学習図式」の中にあっては,「学習者」を「表現者」へと脱却させることに関してこれまで本格的な取り組みが足りなかったように思われる (注1).すなわち,英語を勉強のため,試験のために学ぶのではなく,伝える相手,伝えるべき内容があって,人と人との絆を結ぶコミュニケーションの言葉の一つとして英語を使う,そのような教育を追求することが私たち英語教師にいま問われているのではないだろうか.

2.インタラクティブな環境をデザインする
 筆者は1997年度から,慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスで「テクニカル・ライティング」という授業を担当している.この授業では取り立てて文法的・語彙的に正しい表現を教えることはしていない.学生の英語の運用能力を高める上で一番必要なことは,自分の使いこなせる英語を使って「自分の言いたいことをどう表現すれば,どこまで他者に理解してもらえるかを体験する」ことであると考えている.そのような「英語が生きてはたらく」機能的でインタラクティブな環境をいかに創出できるかが,教師としての中心課題であると考えている.そして,この課題にチャレンジするために考案されたのが,BBS(Bulletin Board System:電子掲示版システム)という「発言―コメント」を Tree 状に連ねていけるソフトを備え付けた Interactive Writing Community on the BBS Web Site という(http://www.sfc.keio.ac.jp/~kmizuno/index_e.html).ホームページの開設である.

(1) 「自分との対話」を引き出す「読者(他者)」の存在
 学生たちは,自分の書いたエッセイをBBSに投稿する.すると,他の学生たちが興味のあるタイトルをクリックしてそのエッセイを読むことができる.そして,仲間からのコメントが 次のように Tree 状 に展開して連らなっていく仕掛けになっている.

◇-The most valuable time in life - Ms. Y. K.
┣Re:The most valuable time in life -Mr. S. T. 
┣Re:The most valuable time in life -Mr. K. K
┗Re:The most valuable time in life -Mr. I. Y.  
┗Re:The most valuable time in life -Ms. Y. K.
   ┗Re:The most valuable time in life-Mr. I.Y.

この Tree は上から順に,慶応大学の Y. K.さんの書いたエッセイ The most valuable time in life に対して,クラスメートの S. T. 君から,そして他大学からは福井医科大学の K. K. 君,中部大学の I. Y. 君からコメントが寄せられていることを示している.そして,I. Y. 君のコメントに著者の Y. K.さんからリプライがあり,その後Y. K.さんにI. Y. 君 から再度リプライがされている.
 自分の綴った文章を「他者の目」にさらすことは「勇気」のいることである.そして「他者」を意識するということは,「何を」「いかに」書くかへの適切な配慮が必要となる.自分にとって切実な問題であっても,他者にとってはそれほどのことでもないかもしれない.自分には自明なことが,他者にとってはまったく不知の世界かもしれない.そうしたことへの「意識」が「読者からの反応」を通して芽生えていき自分の文章が鍛えられていく.「読者のいる文章」を書いているという「手応え」が,学生たちにとって「文章を書く」という営みをどのようなものにしたか,Wさんは次のように振り返っている.

I learnt that it is more important to think 'how does readers take my words' than to express as I like. Sometimes my essay was misunderstood, or not understood enough. The words in some cases become like a 'knife' by itself, and have far more strong meaning than I had intended. So I realized I have to read my essay repeatedly and change into more suitable expression. That makes my intentions clear, and makes my essay better.

 このように,「読者の存在」が「他者の立場からものを考える」ことを誘発し,自分との対話が促されていく.そして,様々な「コメント」を受け取ることにより自己の物の見方や感じ方が吟味され,見直され,一層自分との対話が深められていく.

(2)「学び合う共同体」を育み支援するBBS
 ことばを紡ぎ出す主体は「個人」であるが,BBSに投稿することにより,書くことは「社会的」な実践として展開される.綴られた文章は自己を語るメディアになり,Interactive Writing Community(以後,IWCと呼ぶ)の「仲間」との相互作用を生み出すメディアにもなる.IWC の成員として表現しコミュニケーションをすることを通して,学生たち相互の絆(共同体)がどのように構築されていったか,H 君は次のように述べている.

I imagined someone I don't know select my essay or poem and read. I imagined someone I don't know decided to answer my essay. To imagine like this makes me happy and it gives me more motive to write to move someone's heart.

このように,読む,書くという営みが「試験によって評価されるもの」ではなく,IWCという「学びの共同体」に「参加」していくものとして営まれることをめざした.「個人の頭の中」でどこまで読んだり,書いたりできるかが問われるのではなく,読む,書くという実践の背後に多くの「仲間」が想定され,それぞれが「私の物語」を語り,共同体の相互理解と自己認識(アイデンティティ)が深められていく実践をめざした.

(3)「教室」を「対話的実践としての学びの場」へ編み直す
以上,インタラクティブなライティング環境を創出するためのツールとして,BBSが利用できることを紹介した.それでは,授業では何を行うのか.エッセイ/コメントを書きそれをBBSに投稿する作業は,授業の時間外で行うことになっている.授業では,自分の書いてきたエッセイを持ち寄り自由にペアーを組んで,互いに読み合い話し合う.その後,それぞれが「対話」を振り返りながら相手にコメントを書き送る.BBS上での「顔の見えないコミュニケーション」とは異なる「face−to−face のコミュニケーション」の喜びを,Tさんは次のように語っている.

What makes this class special is the friendly atmosphere. The best thing is you can get to know a lot of people and you can get to know your friends better. Because you get to talk to a lot of people that you didn't know you can encounter so many different ideas.

3.「学び合う共同体」を海外へ広げてゆく
1998年度の秋学期には,IECC(注 2) を通じて出会った Forman Elementary School in Plano, TexasのMrs. Pam Weir 先生と連絡を取り合い,両クラス間でBBSを媒介にして交流が実現した.パム先生は,A Unit on Diversity というプロジェクトに日本を取り上げる計画を立てていた.そこで Intercultural Classroom Connections (ICC) というページを IWC のホームページつくり,そこに慶応の学生が「アメリカの小学校3年生」を読者に,日本人の生活・文化について説明をするエッセイを書き投稿していった. 11月18日に最初のエッセイ The School Rule が投稿され,その後,パム先生の生徒たちがエッセイを読んで感想や質問をBBS上に次々と投稿していき,随時,慶応の学生が答えていった.交流は3週間にわたり,200回以上ものやりとりがBBS上で行われた.パム先生から交流を終えるにあたって,慶応の学生に次のようなメッセージが送られている.

SPECIAL THANKS to our Japanese friends from Pam Weir's class (7/12/1998)

On behalf of my third grade students and myself, I would like to express our sincere appreciation for sharing your culture with us. Your words brought Japan to life for us and made our learning experience entertaining as well as meaningful. I was extremely impressed with your command of the English language in your eloquently written essays. I wish I had your abilities!

I realize this unique global learning project was successful because of the hard work of each of you, and your professor, Mr. Mizuno. My students were stimulated by your words to learn more about Japanese culture and throughout the day would ask if we had received more essays. They felt there had been a personal connection made between our classes, and it was very special for each student.

Each of you should be very proud of the contributions you have made in teaching my students more about Japanese culture. Your shared personal experiences and knowledge was a key unlocking the wonders of a country thousands of miles away. Thank you for this very special gift!

Sincerely,
Pam Weir

今後とも,このような「学び合う共同体」を世界中の教育機関と連携して育て広げていきたいと思っている.

(注)
1.「銀行預金型の英語教育・学習図式」に対する問題提起は,水野邦太郎.1995. 「インタラクティブなコミュニケーション活動を目指した英語教育」『教育』10月号.pp.112-122. を参照されたい.
2. 朝尾幸次.1995.「英語教育ネットワーク通信 43 Intercultural E-mail
Classroom Connection」『英語教育』10月号.p.89.


お知らせ

1) ASTE の Newsletter は、ASTE のホームページ
     http://www.bun-eido.co.jp/ASTE.html
にも掲載されています。インターネットをお使いの会員で、このニュースレターの送付を必要としない方は、下記 ASTE 事務局までお知らせください。その他、ASTE に対するご意見、ご希望などございましたらお知らせください。
2)上智大学大学院応用言語学研究会 HOME PAGE
これは、上智大学の大学院で応用言語学を専攻した卒業生、または現在専攻している学生による HOME PAGE です。言語学、言語教育、応用言語学に関する関連サイト、短い記事や論文などが沢山載っています。興味のある方は是非一度立ち寄ってみてください。
CALPS HOME PAGE: http://www.ne.jp/asahi/calps/home/index.htm
            [NewsLetter No.41 の修正をした、正しいアドレスです。]

3)上智大学英語学科の言語・コミュニケーション研究ページには英語学科教えらている様々な分野の紹介記事が載っていますのでご覧ください。
    http://133.12.37.57/fs/eigo/ling/ling.htm
4)他にも、上智大学外国語学部言語学副専攻の言語研究のすすめのページには、言語研究の様々な分野についての紹介記事が数多く載っていますのでご覧ください。
    http://133.12.37.57/fs/fukusen/gengo/gensusu.htm

5)なお、ASTEは、上智大学英語学科主催の研究会で入会金はありません。

1999年度 ASTE 後期予定

  ASTE 第102回例会
  ワークショップ:ネパールとNGOに出会う授業をめざして
            〜学びが広がる教室をつくる〜
  講師:柏村みねこ(区立小松川第3中学)
  日時:1999年10月23日(土) 3時〜5時
  場所:上智大学3号館5階 AV ルーム

  ASTE 第103回例会
  ワークショップ:
     Non-threatening observation for teacher development
  講師:倉住修(上智大学・高崎経済大学・慶応大学藤沢校舎)
  日時:1999年11月13日(土) 3時〜5時
  場所:上智大学3号館5階 AV ルーム

  ASTE 第104回例会
  シンポジウム:21世紀の英語教育に向けて
  パネリスト:例会発表者他
  日時:2000年1月22日(土) 3時〜5時
  場所:上智大学6号館 311教室

              ASTE 事務局
      〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学外国語学部英語学科内
              吉田研作 研究室
       tel: 03-3238-3719/ fax: 03-3238-3910
e-mail: yosida-k@sophia.ac.jp
ホームページ(吉田): http://pweb.sophia.ac.jp/~yosida-k



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